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川村 前回までは、緑化の意義と「Green Weaving」のプロジェクト名に込めた思いをお聞きしました。今回は、街づくりとクリエイティブについて話をしたいと思います。「Green Weaving」プロジェクトでは、LANDMARKがデザインを担当しましたが、なぜロゴが必要と思われたのでしょう。

菅野 「Green Weaving」という名称や写真だけではなく、取組内容がうまく伝わる、人々の心に訴えかけるビジュアルが必要だと思ったんです。

川村 なるほど。では今回のロゴマークはどのような経緯で生まれたのですか?

萩原 今回のプロジェクトマークは、将来的にこの街そのものを象徴するマークになることを目指してデザインしました。時間が経っても色褪せることなく、このプロジェクトが持つ意味や意義を宿し、人から人へ語り継がれていく存在であってほしいと考えています。
「Green Weaving」という名前の通り、みどりと人々の営みが織り重なりながら、街の風景をつくっていく。働く人、学ぶ人、暮らす人、訪れる人。それぞれの個性や活動が重なり合い、やがてこの街ならではの色として表れていく。そんな想いを込めています。

また、このマークは単なるシンボルではありません。花壇の中で咲く花のように見えたり、街の一部をラッピングするグラフィックとして機能したり。まるで一本の繊維が服やタオルへと姿を変えるように、さまざまな場所や用途に合わせて形を変えながら広がっていくことができます。
街とともに育ち、街の人たちに愛される存在になってほしいですね。

菅野 プロジェクトに色が出てきて、関わる人みんなで共有できる指標になりました。 今回LANDMARKさんにウェブサイトも作っていただいて、このサイトなら、参加しよう!と思えるなと感じました。

萩原 うれしいです! コンセプトとビジュアルって本当に大事ですよね。それと同時にキャッチコピーも大事だと思います。キャッチコピーはみんなで大切にする想いを現した「言葉」です。今回このプロジェクトに関わった時点ではキャッチコピーがまだなくて。コンセプト動画やウェブサイトなどデザインを展開していく上で、みんなの想いから現れる表現で統一するためにも、「緑で紡いでいく、まちと人と 未来と」が誕生しました。


「紡ぐ」という言葉は、本来、糸を作っていく過程を指しますが、近頃は「言葉」や「想い」や「歴史」など、目に見えない部分に使うことが多いように感じます。キャッチコピーがあることで、繊維業の街が、新しく来てくれた人たちと一緒に未来を作っていく姿を想像しやすくなったと思います。

萩原 今回、最初の取り組みでは、ロゴと看板。次にウェブサイト。さらに広告やプロジェクトムービーとデザインしていくものが増えていきましたね。このプロセスから、このプロジェクトに関わる皆さんにとっても街づくりの取り組みが徐々に可視化されているということだと思ったのですが竹中工務店としてはどう感じましたか?

栗原 ウェブサイトやプロジェクトムービー等、作っていただいたものは、まわりの人たちを巻き込んでいったり、自分たちで街を作るぞ、という気持ちを明確にするために必要なものだったと思います。私たちの予想以上にみんなが前向きに参加していた印象です。組合員の方々も、できていく過程をすごく楽しんでくれたんじゃないかな、と。「みんなで作った」ということが大事で、自分の言葉で話していただけたのもよかったと思います。



萩原 僕たちもまさに「みんなで作った」という印象です。特に「Green Weaving」プロジェクトのムービーを作ったときは、組合員の方々ひとりひとりに長い時間をかけてインタビューして、言葉にしてもらいました。まさにシナリオのないムービーづくりでしたが、皆さんの想いや箕面船場の長い街づくりの歴史が、ひとつの物語としてまとまって生まれたことを組合さんたち自身もうれしく思ってくれていると感じました。

栗原 歴史や想いをモノとして残すことは、すごく大事だと思います。今まで自分たちがやってきた想いをまとめるとか、発表すること自体が大事。後で見て後輩や子どもたちがアーカイブとして情報を知ることができます。関わられた皆さんにとって街づくりの大事なプロセスになったと思っています。

菅野: こういったデザインがあることで、組合員の方々にも、組合員以外の方にも伝わるものになりましたね。

萩原 今日お話をして思ったのが、僕自身もLANDMARKを創業してから10数年間、街を見てきましたが、花壇自体は昔から実はたくさんあったんですよね。その花壇に何も植わってないのが普通になっていて、ちょっと殺風景な空気を作っていたんだなと感じました。

栗原 人の営みが見えることは、すごく大事です。里山じゃないですけど、人の手がきちんと入っていると豊かに育つし、見ていてもやっぱり清々しくて気持ちがいい。人の手が入っているって、大事なことだなと思います。花壇が放ったらかしになって何もなかったら、そういうエリアなのかと思ってしまいますよね。

川村  今回のGreen Weavingプロジェクトに関わるクリエイティブ全般も、「営みが見える」ということを大事にしていましたね。

萩原 私たちがクリエイティブに込めたのは、この街に集う人々の「日々の営み」です。写真や映像で、単に美しい緑の景色を切り取るのではなく、緑を植え、水をやり、共に育てる時間の重みや温もりが伝わる表現を大事にしました。創られた絵ではなく、その場所の空気をそのまま感じたり、新しい街の景色を発見してもらえるようにするには、どんなアプローチがあるのかを試行錯誤しました。

栗原 緑を触っている人がいる風景って、すごくいいんですよ。「Green Weaving」プロジェクトの「みどり見守り隊」の隊長さんがおっしゃっていましたが、近頃は、団地組合のエリアで植物の手入れをしていると話しかけられるそうです。歩いてる方やワーカーの方に、これは何なんですか、どう育てるんですかと聞かれて、お話をされるそうです。隊長さんは、箕面船場を拠点にしている「ガーデンラボ」のガーデナーさんなので、箕面船場の外からたまに来て手入れするのではなく、いつもこの地域におられるというのも、ありがたいことですね。

萩原 人も風景なんですよね。道行く人と会話が生まれるなんて、数年前の箕面船場エリアからすると信じられない光景です。準備段階だと思っていましたが「Green Weaving」は、もうすでに動き出していたんですね。デザインがそんな営みのアイコンとなって機能することで、プロジェクトの実態がもっと伝わる形にしていきたいです!

栗原 団地組合の外の方と接する場面が増えていくと、このプロジェクトのことも、団地組合のことも知ってもらえるようになりますよね。そういう活動としては、毎年大阪大学箕面キャンパスの文化祭と合わせて、団地組合も夏祭りを開催しています。COM3号館の前の通りが歩行者天国になって組合員の方々のお店がたくさん並びます。去年のお祭りでは、組合員の方々のブースがたくさん並んで、大阪大学の方ではバンドの演奏やコーヒーショップやワインショップなども出されていて盛り上がっていました。

菅野 今年のお祭りは、2026年6月27日を予定しています。「Green Weaving」プロジェクトもブースをお借りして、プロジェクトや「みどり見守り隊」の紹介をしようと思っています! さらに、この日にはCOM4号駐車場のポケットパークもオープン予定で、花苗を植えるイベントを開催しようと計画しています。COM4号駐車場は少しわかりづらい場所にあるので、植えた花を見に、日常的にも足を運んでもらえたらいいなと思っています。今後ポケットパークでは、緑を日頃から見守る活動と、講習会やちょっとした飲食イベントもできたら面白いなと思って検討を進めているところです。

萩原 面白そうですね! ロゴも、街の風景になっていくんだと思うとワクワクします。これからプランターにロゴサインが立てられて、「Green Weaving」がどういうキャラクターになっていくのか。その様子を、このサイトで発信していきたいと思います!

竹中工務店

建築を起点に、都市開発やまちづくりまで幅広く手がける総合建設会社。建物だけでなく、人が集い、地域に新しい価値が生まれる場づくりに取り組んでいます。

https://www.takenaka.co.jp/

株式会社LANDMARK

LANDMARKは、2009年に箕面船場からスタートし、デザインを軸に人・企業・地域の未来をつくるプロジェクトを手がけるデザイン会社です。

https://landmark-design.net/